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好古庵
2022.01.23

仙叟忌

1月23日、本日は裏千家四代千仙叟宗室居士の祥月命日。雪も残る墓所である月心寺にて午前10時より今年も昨年同様茶席がなく、役員のみの少人数で法要が営まれ、私も毎年代参させていただき年の初めの気持ちが引き締まる時であります。仙叟居士は江戸初期に加賀前田家三代利常公、五代綱紀公の代に茶具茶堂奉行として約40年間仕えられ、金沢と京都を往復されました。今と違い交通の便もよくないその時代、庵主としても自らこの地に住まわれ、特に冬の雪に覆われた厳しい時も、この地でいかに千利休居士の曾孫として侘茶を当地で伝え、そして尚、ご自身の茶の湯を確立されたことに想いを馳せます。後に、その功績が今日の当地での茶の湯、工芸などに多大に影響を及ぼしました。五代常叟居士も金沢でお生まれになられました。その様な事から加賀前田家と裏千家は現在も歴代御家元との関係が連綿と続いています。その事から明治時代に仙叟居士のご遺徳を偲ぶために仙叟遺蹟保存会が発会し、現在も100年近く続く最も古い茶道隆茗会として毎月23日の月命日に釜が掛かかります。後世にその様な歴史をしっかりと伝えていくことはとても大切なこと。今あるこの恵まれたこの土地の環境は急に起こったものでなく、先人の風がその土地に吹きわたって風土となり、それが蓄積された歴史が文化となっています。私自身もその仙叟居士の邸地跡「好古庵」にて今も稽古をさせていただいている事も先祖、先人のおかげだと思っております。読経の間、颯々と何も変わらない事を何百年と粛々と続けていくこと、沢山の方々が携わられた事、特に今年も様々な想いを馳せる時でもありました。